バケットハットとニット帽

 

 

 

 

『いってきます』

 

朝からそうちゃんの元気がなかった。

実は昨日からない。

 

その日寝たら持ち越さない。

今までそうだったから 

彼の声色にすごく心配になった。

 

 

 

 

 

電車を降りてスーパーでお昼ご飯を買う。

なぜか 買ったことないキレートレモンが

レジのすぐ横にあって 手に取った。

『炭酸入ってたんや。』

 

 

 

 

 

 

歩いてると 目の前の横断歩道で

ご老人夫婦が手を繋いで信号を待ってた。

 

人の良さそうなバケットハットのお父さんと

穏やかなニット帽のお母さん。

 

こんな風景を見るたび

早く歳を取りたいなと思う。

 

早くそうちゃんと老後を過ごしたい。

仕事に 2人で過ごす時間を削がれることなく

 

人間関係に 彼を想う心のスペースを

蝕まれることなく。

 

 

 

ただただ穏やかに。

 

縁側に置いた2つの揺り椅子に

お互い身を預けて 

その真ん中で一日中手を繋いでいたい。

 

歳をとって ぼこっと浮いた血管と

ごわついた肌を 

私たちの重ねてきた時間を

大切に愛でるように

 

うたた寝して起きたら

まだ眠るそうちゃんの寝顔を見て

安心しきって そして眠りたい

 

 

 

 

そんな風な私たちになれるように

お互いがお互いのほうを向き合って

努力しないとなと思う。

 

 

バケットハットとニット帽か。

きっとそうちゃんはカーキとサンドの間の

アンニュイな色。私はオレンジ。

それかピンクにしよう。

 

 

 

 

帰ったらそうちゃんは

すっかりいつも通りになってくれてて

三つ指をついてちょけながらお迎えしてくれた。

 

 

 

一日中気がかりだったから

心底安心してなんか泣きそうになった。

 

 

 

日常のなかに幸せはある というけれど

わたしには日常が日常であってくれるだけで

それこそが幸せ。

 

 

 

おわり。

 

二日酔い

昨日お酒を飲み過ぎたせいで朝びっくりするほど体が重かった。そうちゃんのお見送りも一苦労なほど、、、

 

【いってらっしゃーい】って見送ったらベッドに直行で二度寝。休みの日は二度寝しないと眠たくて仕方なくなるんだよな。夕方くらいに2-3時間昼寝してしまう。そう思うと朝二度寝した方がお得な感じがするから、ある時から二度寝は必須。

 

二度寝から起きてからはベッドで調べ物。

ふむふむ。今の私にはビタミンAが足りんのか。ということでお昼ご飯はみかん3個。

 

洗濯機2回回して。

洗濯物畳んで。

洗い物して。

 

マツコの出てる番組みる。

あの人みたいになりたいな〜って思う。

毒舌吐いて、好きな人には好きって言って、媚びてるようで媚びてなくて、好きなこと言って結局好かれる。何が違うんやろか。

 

夜は簡単にお鍋にしよかな?って思ったけど、毎日勉強頑張ってるそうちゃんのことを思うと、ちゃんと作ろうと思った。(今日はね。)

 

鳥の甘酢丼

白菜とサバの水煮でスープ

無限ピーマン

 

美味しい〜って、史上最高ちゃうか?って言ってくれて嬉しかった。

それに丼の上の温泉卵がすごい上手にできた。

 

でもやっぱり料理は苦手。笑

嫌いというか苦手。向いてない。

 

 

お風呂にしっかり浸かって、お香とキャンドルの中でヨガして、リラックス。

 

今日もどっちが電気消すかの指スマは勝てん。

よう笑ったな。

 

幸せ。

 

おわり。

2020.1.8

今日は寒かったなあ。

朝お見送りをする時、そうちゃんが玄関の戸をガチャって開けて外に出た瞬間の顔が可愛かった。誰かに冷たい手で急にほっぺを触られたみたいな【ひゃっ】て顔。

 

天気予報でもすごく寒いですって言いよったし、中に薄いダウンを仕込んで外に出た。すっごいあったかかったけど、手だけが裸で凍りそうに冷たかった〜手袋欲しいな。毎年手袋の使える寿命が短い気がして、買わずに我慢してる気がする。

 

 

 

寒い時に飲むカフェラテって美味しいけど、今日は寒すぎてすぐにぬるくなったな。

 

 

 

帰りはそうちゃんが時間を合わせてくれて一緒に帰れた。彼と一緒だと何をするにもワクワクする。いつも楽しいことを提案してくれる。今日は何の日でもないのに、回らない回転寿司に【ずっと一緒に行きたかった】って連れていってくれた。ただ帰りが一緒になっただけなのに。もう5年も一緒におるのに。私の喜ぶ顔が見たいって。優しい人だなあ。

お寿司はというと、夢のような場所だった。ほとんど100円なのにネタは多分スシローよりも上。シャリもネタも大きさ十分で新鮮でお店も綺麗で明るい!ありがとうございます。もっとお店いっぱい出してください。って感じでした。

 

でもふと街を見回してみると、大きな雑貨屋さんが無くなってたり、行きつけの眼科が廃業してたり。コロナに感染した人が私の周りにはおらん分あまりそういう状況を実感せんけん、あぁ着実に色んなことが変わっていってるんやなあと感じた。

 

帰ってからはお風呂に浸かってお香を焚いて。

洗濯機回して今。今日も幸せでした。

 

おわり。

2021.1.7

 

朝目覚めると、まず目に入るのはそうちゃん。

起きる前から気配を追っかけてたかのように、すぐに目に入る。

 

今日はベロアのパンツがくたくたになったと言って、別のパンツを試してる。でもちょっぴり体が大きくなってて入らんみたい。ウエストのとこだけキュッてなっててかわいかった。

 

 

朝はもっぱら二度寝したい。

でないと眠たくて仕方ない。、、こともない。

10分も起きてりゃ変わらんけど、気分的にね。

 

 

今朝も、寝れてもたかだか15分の為に布団に潜り込んだ。そのせいでちょっぴり時間が押した。

 

 

駅までの行き道にはたくさん素敵な場面がある。カメラで切り取りたいなって思う場面がいっぱいある。高架下の鉄の並び、ススキの穂のたわみ、赤い壁にくっついたポストの光と影、木を下から見た時の木の葉の群れ。パリで壊れた一眼カメラ早く治さないとな、って思う。でもまあこれも10歩も歩けば少なくとも明日のこの場所までは忘れる。

 

 

 

それにしても今日は寒かったな。

行き道ではもはや雪なんかじゃなく、ちっちゃい氷が降ってた。そうちゃんに『氷に打たれたよ』ってLINEしたら、【雷に打たれた、みたいに言うな】って言われた。おもしろい。

 

 

帰ってきてそうちゃんお手製の生姜風味のお鍋でほっこりしたら、湯船で冷えた体を温めた。湯船で眠たくなるのは、眠気でなく、気絶してる状態なんだとか。それを知ってて、いつも私を気遣ってくれる。【起きてるかー?】って。続けて、【もしよっちゃんが湯船で死んだら、俺もそのお湯に溺れて後を追うけんな】って。

なんともシュールな愛。ありがと。でもやめてね。

 

 

今日もほかほか。

お風呂上がりは金木犀のお香とキャンドル、そして間接照明で暗くしてゆるっと音楽聴いてから寝る。

 

今日も幸せでした。

おやすみ。

 

2021.1.6

昨日寝る前誘惑に負けた代償で、目が覚めた瞬間ずーんて腰が痛かった。そうちゃんを巻き込んでしまって、勉強させられんかったことに一日中すこぶる反省した、、、

 

そんな今日は同期が職場に立ち寄ってくれるので、うきうきしながら準備した。いつもよりちょっとだけいい感じの服を着て家を出た。

その直後、『へっく、へっく』ってしゃっくりでだした!!!なんとか電車乗るまでに、って思ったけど電車の中でもへっく、へっく。職場についたらいつの間にか止んでた。

 

今日は上司も機嫌が良くて、同期も元気そうで、嬉しくなって、気温もあったかくてなんだかいい日だった。『へっく、へっく』はお客さんの前だろうと上司の前だろうとご飯中だろうと、ことあるごとに出てきたけど。

 

帰ってきて、今日は湯船に浸かる。

勉強中のそうちゃんがヘッドホンをつけてるのをいいことに、わたしは音楽かけながらカラオケ。(小声でね。)家族のうたも、恋人の儚い歌も、激しい愛の歌も、どんな歌を聞いても浮かぶのは1人。すぐそこにおるのに。毎日腐るほど一緒にいるくせに、すごく恋しくて胸がちょこっとだけきゅうとする。失恋の歌なんか聞いても、いいように解釈して会いたくなる。別に喧嘩なんかせんしもちろん別れるわけでもないのにね。へんなの。とか思う。

 

今日も隣で眠れて、隣で起きられることが嬉しい。

 

さて、もう眠るそうちゃんのとこにいこ。

おやすみなさい。